理工学研究科有機・高分子物質専攻の仁子陽輔大学院生、川内進准教授、小西玄一准教授は、蛍光ソルバトクロミズム[1]や分子イメージング[2]に利用される代表的な色素であるプロダン(Prodan)を改良して、無極性溶媒(ヘキサン)からプロトン性溶媒(メタノール)まで幅広い極性条件下で、発光色を大きく変化させながら高い蛍光量子収率[3]を維持することに成功しました。蛍光ソルバトクロミズム色素の開発では、発光色の大きな変化と高量子収率の両立は難しいとされてきました。本研究では、巧みな官能基の導入による分子軌道の操作により、この問題を解決しています。今後、様々な溶媒でソルバトクロミズムを示しかつ100%の量子収率で光る分子の開発や生体関連科学への応用展開を行います。
この成果は、Chemistry ? A European JournalのWeb版に公開されています。
DOI: 10.1002/chem.201301020
本研究の一部は、学術振興会特別研究員(平成25年~)および卓越した大学院拠点形成補助金・東工大(平成24年)の支援を受けて行われました。
[1] 溶媒の極性の変化によってその化学物質の蛍光色が変化する現象のこと。
[2] 生体内での分子プロセスの可視化に関する研究開発。
[3] 蛍光発光した分子の個数mと、吸収された光子の個数nとの比m/n。
詳細はChemASAPの紹介ページをご覧ください。
本件に関するお問い合せ先 |
小西 玄一
大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 准教授 |
---|---|
TEL | |
FAX | 03-5734-2888 |
URL | http://www.op.titech.ac.jp/polymer/lab/konishi/index.html |
*6年以上前の研究成果は検索してください