要約
〇植物の光合成と同様、2段階のエネルギー移動で光を捕集
○単位面積当たりの光量が少ない太陽光を安価な有機分子で集光し、人工光合成の反応中心へ効率よく光エネルギーを集約
○高価で稀少な人工光合成用の光触媒の使用量を大幅に減らせる
理工学研究科の石谷治教授と豊田中央研究所の稲垣伸二シニアフェローの共同研究チームは、2段階のエネルギー移動で、光を効率よく捕集する分子システムを初めて開発した。これは太陽エネルギーを高効率で化学エネルギーに変換する植物の光合成に匹敵する人工光合成の実現につながる成果だ。
光を吸収する有機分子を多量に、しかも規則正しく配置した壁で構成される多孔質材料のメソポーラス有機シリカ(PMO)に金属錯体を導入することにより、400個を超える有機分子が吸収した光エネルギーを、まず5つの金属錯体が集め、最終的に一つの分子に集約することができた。
研究の内容,背景,意義,今後の展開等