要約
東京工業大学大学院理工学研究科の松澤昭教授と岡田健一准教授らの研究グループは、ディジタル回路で構成する新方式のクロック生成回路の作製に成功した。発振器が注入信号に同期して発振をおこす「注入同期現象」を安定的に利用し、フィードフォワー
ド制御による位相同期を行うことにより実現した。従来のクロック生成回路は、帰還(フィードバック)制御による正確な位相同期が必要なため、ディジタル回路では構成できなかった最小加工寸法65nm(ナノメートル)のシリコンCMOS プロセスで試作した新型クロック発生回路は、0.4G~1.4GHz(ギガヘルツ、1GHz は10 億ヘルツ)のクロックを生成可能であり、0.9GHz 出力時の消費電力は0.78mW と非常に低い。0.0066mm2 の極小寸法で実現した。クロック生成回路は、ほぼすべての集積回路に内蔵されており、…
研究の内容,背景,意義,今後の展開等