要約
【要点】
○ 淡水魚はえらを介して淡水中のわずかなナトリウムイオンを栄養素として取り込む
○ ナトリウムイオン吸収はアンモニウムイオン排出と交換で行われ、今回、その交換輸送を担うタンパク質(交換輸送体)を特定
○ 魚類の淡水適応機構の解明、ヒト腎臓のアンモニア排出機序理解の手がかりになる
【概要】
東京工業大学とメイヨー医科大学(米・ミネソタ州)の研究グループは、淡水魚のえらで働くNa+/NH4+ 交換輸送体を初めて特定し、その活性を明らかにしました。淡水魚のえらは淡水中のわずかなイオンを栄養素として吸収することができます。淡水からのNa+ 吸収はNH4+ 排出と交換で行われるという説が70年前に提唱されましたが、その分子実体は特定されておらず、長い間専門家の間で議論されてきました。
研究の内容,背景,意義,今後の展開等