要約
要点
・NMRの化学シフトによる水素の電荷状態の判別法の問題点を明らかにし是正法を提唱
・水酸アパタイトを水素処理するとH-イオンがOH-の代わりに取り込まれることを立証
・最もありふれた不純物である水素の役割の解明に有効なツール
概要
東京工業大学応用セラミックス研究所セキュアマテリアル研究センターの林克郎准教授、同元素戦略センターの細野秀雄教授らの研究グループは、固体中に生成される「マイナスの電荷をもった水素」(水素化物H-イオン)を、核磁気共鳴法(NMR)計測だけで簡単に特定する手法の確立に成功した。NMRによる観測限界を、物質中の水素の周りの空間の大きさと対応付ければ補正できるという発見により実現した。これを用い、歯や骨を構成する物質であるアパタイト中にもH-イオンが生成することを世界で初めて実証した。
研究の内容,背景,意義,今後の展開等