要約
【ポイント】
・絶対零度でのみ抵抗ゼロになる超伝導状態を磁場中の幅広い領域に発見
・予想に反して量子臨界点(絶対零度で状態変化を起こす点)が2つ存在
・メカニズムの理解や応用の進展に重要な指針を提示
【概要】
東京工業大学応用セラミックス研究所の笹川崇男准教授と米フロリダ州立大学との日米研究チームは、これまで謎とされてきた、高温超伝導体において磁場が起こす状態変化について、絶対零度まで包括する全体像を明らかにした。
磁場を強めていくと電気抵抗ゼロの超伝導状態になる温度は低下してゆく。これまでは、超伝導になる温度が絶対零度まで低下する磁場が唯一の量子臨界点(絶対零度で状態変化を起こす点)で、それ以上の磁場中には超伝導状態は存在しないと考えられていた。ところが、約4倍の高磁場まで、絶対零度でのみ超伝導状態になる領域が広く存在していることを実験で突き止めた。
研究の内容,背景,意義,今後の展開等