要約
要点
芳香環のみが置換した、結合の手が2本しかないホウ素化合物(ボリニウムイオン)の単離に世界で初めて成功
ボリニウムイオンが極めて強いルイス酸性を持つ事を実験と理論化学計算で証明
ボリニウムイオンが、化学的に安定な二酸化炭素から酸素を奪うという特異な反応性を示すことを実証
概要
東京工業大学資源化学研究所の庄子良晃助教と福島孝典教授、東京大学大学院薬学系研究科の内山真伸教授らの研究グループは、芳香環のみが置換した「結合の手を2本しか持たないホウ素のカチオン化合物(ボリニウムイオン)」の合成に世界で初めて成功しました。この化合物は、ホウ素がオクテット則から著しく逸脱した電子不足化学種であり、これまで合成が極めて困難であるとされていました。さらに、ボリニウムイオンを用いて、安化学的に安定な二酸化炭素から酸素を奪うという特異な反応性を示すことを実証しました。
研究の内容,背景,意義,今後の展開等