要約
要点
○光照射で融解する有機結晶の結晶構造を初めて解明
○分子が整列している部分と熱運動している部分の共存を観察
○分子の整列と運動の共存が、光融解現象の原因
概要
東京工業大学大学院理工学研究科の星野学研究員、腰原伸也教授らの研究グループは、有機結晶が光で融解するメカニズムを放射光X 線による結晶構造観察で突き止めた。
まず長鎖アルキル基を有したアゾベンゼン誘導体には「アゾベンゼンが整列した領域」と「長鎖アルキル基が結晶内で激しく運動している領域」の2領域が共存した特異な結晶構造をしていることを明らかにし、さらに、この結晶に紫外光を照射するとアゾベンゼンが光異性化反応を起こして整列が壊れ、結晶中にもかかわらず液体のように激しく運動している長鎖アルキル基の領域と均一化されることで、融解が起こることを解明した。
研究の内容,背景,意義,今後の展開等